VISION
「人と技術の余白を、遊び心と知性で色付けていく」

このテキストから、あなたの頭にどんな風景が浮かぶだろうか。 配管が交差するプラントの狭間、人とデジタルの接点、現場とオフィスの距離感、あるいは人の心の奥深くにある判断の逡巡 ―――
私にとって、ブラウンリバースのVISION&MISSION策定は、現場やエンジニアリングで感じた違和感の堆積を解放し、“まだ誰にも名前をつけられていない空間” に輪郭と意味を与える作業だった。そしてこのプロセスは、壁打ち相手となるもう一人の力が不可欠だった。和式の刀鍛冶において、名刀がひとりでは打てないように、構想を持つ刀匠(とうしょう)と、それを受け、間を読み、鉄を打つ相槌(あいづち)がいてこそ、鋼(言葉)は粘りと切れ味を併せもった刀(メッセージ)となる感覚に似ている。鍛冶の経験はないが、会話の相槌は得意なので、おそらく間違いない。

なぜ「余白」なのか。

それは、現場には 「言語化されていない」 大切なことがまだまだ存在することを知っているからだ。
図面にも、仕様書にも、システム要件にも、書かれていない“間(ま)”。時には無意識に、時には潜在的に、時には盲目的だが、確かにそこにある余地。誰かが手を伸ばすのを待っている場所。

その余白にどう色を差すのか。

MISSION
「仕様にも図面にも残っていない空間と向き合い
私たち『現場密着型サイバースペースコントラクター』は
保全現場に新奇体験をもたらし、意思決定の覚醒へと導きます。」

新奇体験というのは、派手なVR演出ではない。 たとえば、3Dスキャン空間に埋め込んだ危険領域を、 現場でスマート防護メガネ越しに出現させたり、保温材下の腐食を推論ベースで仮想空間上にマッピングさせたり、見聞きしている現実がすべてではないと思わせる、かつ誰かに話したくなるような体験のことである。作業員が動きを止め、見慣れた現場が別の景色に染まる瞬間こそが情動喚起の核となり、意思決定の覚醒を促す。

現場はこれまでも、これからも、意思決定が続く。それを支援し、肯定し、問い直すことで、人は今の空間認知や思考パターンを超えられる(覚醒する)と思っている。私はこれを機動戦士ガンダムのニュータイプに例えたが、今の世代にはピンと来ないらしい。ならば、攻殻機動隊の電脳、マトリックスのネオ、ドラゴンボールのスーパーサイヤ人、ナルトの仙人モード、鬼滅の刃の透き通る世界、エヴァンゲリオンのシンクロ率に置き換えてみてはどうだろうか。

要するに、世界の見え方が変わり、知覚が拡張され、自分の内側から何かが目覚めていく感覚のこと。私は、それを一過性の演出ではなく、日常業務の中に仕掛けを埋め込みたいのである。

言葉の鍛錬をとおして、研ぎ澄まされた切れ味のある名刀(至極のメッセージ)に近づけたと手応えを感じている。ただの理屈ではなく、自分の身体を通った言葉になったという実感。
私を刀匠たらしめてくれた、株式会社HRizeの名刀匠 岩見直哉氏に、心より感謝申し上げたい。

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執筆書籍

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3D仮想空間・デジタルツインの普及がもたらす新たなものづくりとエコシステムの創生―――

製造業の中でも重厚長大な石油化学工業におけるプラント設備の保全業務に焦点を当て、高度な技術と,旧態依然とした働き方が混在する業界の未来を,世界中のプラント3Dマップ化に着手している日揮グループ・ブラウンリバース株式会社と,産業の安全規制のトレンドを仕掛けるストラトジックPSM研究会を創設した著者らが解説します。

「ファストデジタルツイン」が業界に必要とされる理由・蓋然性,業界内の実践者が語るプラントDXの在り方,デジタルツイン社会を目指す業界リーダーたちの取り組み,といった石油化学工業におけるDXの現在地がわかります。