長年、P&ID(配管・計装図)を作図し、As-built(竣工図)の出図までの変更管理の業務に携わってきたが、手書き図面の時代からずっと本質ではないと思っていた作業がある。
それは、図面間の配管や計装信号を結ぶ「Continuous Flags(矢旗)」の作成だ。
矢旗には図面間の接続を示すためにペアのID番号を割り振るが、図面枚数が増えるほどその数も増えると同時に接続番号の管理が煩雑になる。ミスが起きると図面間の接続が失われ、配管または信号の行き先が迷子になるという問題が生じる。
例えば、配管だけが3、40本並ぶDistribution Header(分配管)図のレイアウト変更などはまさに矢旗の地獄。いまではCADがスマートになり、接続番号を自動採番したり同期をとったりといった支援機能があるが、そもそも「矢旗いらなくね?」とずっと思って、早20年。
冊子だった地図が、Googleマップでシームレスに地球一周できるようになったことを鑑みれば、A3に出力するとか、冊子に装丁するとかいう前提を捨て、プラントも地続きで図式化していいはず。
しかし、CADソフトに限らず、多くのオフィスツールが「用紙設定」ありきで編集するのが定石となっているのは、DXを阻む地縛霊がそこかしこに潜んでいるとしか思えない。
P&IDが世界共通のコミュニケーションツールであることに異論はない。一方で紙に出力する必要性は確実に限定的なのだから、用紙サイズの呪縛から解き放とうではないか、と日頃悶々としているところへ、たまたまオススメ動画に上がってきたものづくり太郎氏の「FA業界では3Dで設計しているのに2Dに翻訳することで生じるデータの分断がPLM(Product Lifecycle Management)を妨げている」という主張は共感でしかなかった。
そんな折に、日刊工業新聞社との共催ウェビナーにものづくり太郎氏がスペシャルゲスト出演との連絡を受け、何このセレンディピティ運命すら感じるわと、ワクドキしていたのも束の間、開催日が8月22日に迫っている。
FAもPAも根っこの課題は同じようで、P&IDのような共通のモノづくりコミュニケーションツールを除霊すれば、業界が大きく変革しうると考えている。製造業系YouTuberものづくり太郎氏の愛ある主張にしばらく目と耳が離せない。



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